2008年11月26日 (水曜日)

メルロポンティがおもしろい

ぼくの卒論は、キェルケゴールでした。
ゼミの先生にサルトルをやりたいと言ったけど、実存主義をやるなら、まずは、キェルケゴールだと突っぱねられてしまった。
結果的には、キェルケゴールの『死に至る病』を取り上げてよかったと思っているが、
卒業後もサルトルへの思いは捨てがたく何度か挑戦するも、読みかけてはすぐに挫折というパターンを繰り返していた。

そんなとき、サルトルの向こうにメルロポンティがみえてきた。
しかし、ずっと手を出すのは躊躇していて、解説書ぐらいで踏みとどまっていた。
やっと、今回哲学カフェの人に出会い、本格的に読むこととなった。

カフェフィロという団体があります。
哲学的対話を楽しむイベントを開催していうところです。
今回は、書評カフェ。一冊の本をとりあげ、評者やゲストがそ
の本についてコメントしたあと、参加者同士で自由に本につい
て、あるいは本に書かれてているテーマについて話し合います。
どなたでも、ご参加いただけます。
どうぞお気軽にお越しください。

以下、イベント詳細です。

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2008年11月25日 (火曜日)

高嶺格さんの展覧会

高嶺格さんの展覧会が、11月29日からせんだいメディアテークで行われます。
高嶺さんとは、サンディエゴでのアジアの作家を集めた展覧会でご一緒させていただきました。
そんな縁あって、展覧会のお手伝いをさせていただくことになったのです。
26日から、4日ほど仙台に滞在します。
今回の展覧会では、視覚障害者が展覧会のナビゲートをします。
その部分に関係あるところを、お手伝いするということなんです。
真っ暗な中でというわけではなく、普通の会場にインスタレーションされた作品を、
一緒にみていくということだと理解しています。
とにかく、高嶺さんの作品好きなので、楽しみです。

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2008年11月22日 (土曜日)

11月30日 ビュー 鑑賞ツアー

11月30日、鑑賞ツアーのお知らせです。見える人の申し込みは締め切りました。
ビューの阿部さんからのメールと共に貼り付けます。
見えない人・見えにくい人、まだ間に合いますので申し込みお待ちしてます。
呼び掛けもよろしく。

-------ここから--------

ビューの11月鑑賞ツアーの案内です。
見える人は締切りました。
見えない参加者がとても少ないです・・。
今回は、少し力の抜けたようなリラックスした感じの現代アートの
作品を見に行きます。シンプルなラインや表現の中にこそ、作家の気持
ちが見えてきます。
今年の秋は空気も紅葉もきれいです。
京都観光もかねて、ゆるりと作品鑑賞にお越しください。

---以下案内 転送歓迎-----

ミュージアム・アクセス・ビュー 第21回美術鑑賞ツアー
「現代美術への視点―エモーショナル・ドローイング」展

■日時 2008年11月30日(日)
    午後2時〜午後4時50分まで

■場所 京都国立近代美術館
(京都市左京区岡崎円勝寺町/電話075ー761ー4111)

■集合場所 1)1時40分 地下鉄東西線「東山」駅 改札
      2)1時50分 京都国立近代美術館前

■参加費  500円(入場料を含む)

■募集   見えない人、見えにくい人 10名
     見える人 20名←締め切りました

■当日のスケジュール
     1時50分〜    受付開始
     2時〜2時30分  鑑賞方法の説明/グループ分け
     2時30分〜4時  鑑賞
4時〜4時50分  感想会

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2008年10月 4日 (土曜日)

8月危機

*下の方に香港でのワークショップの様子を、日記風に書きました。写真も、1枚アップできていると思うのでご覧ください。

きわめて個人的な経済危機を、何とか通り抜けることができた。
今年、4月ぐらいから、支出が増大。
息子の学費、ポストカードの制作費、個展のときに20数枚作った額の支払い、
極みは、8月に生命保険の年払い、など重なってどうして切り抜けようかと苦闘していた。
何とか香港でのワークショップのギャラで命拾い。

4月以降は、飲みに出るのも控えて、できるだけ治療室に詰めて、予約を逃さないように電話に貼り付いていた。
おかげで、月刊来院数も伸びて、収入も安定してきた。
スッカリ、予約表を読みながら、月末までの収入を計算する癖が付いてしまった。
どうも金の亡者になってしまったようで自分でも気持ち悪い。

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2008年9月20日 (土曜日)

こんなところで絵を売ります

ポストカードを置いてもらっている「セレクトショップMEKIKKI」さんの向かい側のスペースで展示会が行われます。
そこにポストカードの原画を含む数点を展示、販売することになりました。
こういう品揃えのところに、絵を飾って売るってどんな感じなんだろう。
お時間あれば、ぜひ覗いてみてご感想をお寄せください。

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京都発信セレクトショップMEKIKKI
──初秋のMEKIKKI アートワーク──

2008年9月20日(土曜日)〜9月29日(月曜日)
会期中無休 11時〜20時(最終日18時まで)

秋の夜長を彩る灯り、着物まわり、そしてアクセサリー
MEKIKKIの多面的なアートワークをお楽しみください

みやもととくこ
BONLISSA
CRAFTSTUDIO
山田さきこ
趙慶姫
福田真木子
西淑

Arts & Products Laboratory tsubaki kyoto
京都市中京区三条通烏丸西入ル御倉町79 文椿ビルヂング 1階
椿 kyoto tel/fax 075-255-4743
http://www.sunaba.tv/tsubaki/

(なお、会期中MEKIKKIショップ(文椿ビルヂング1F
http://www.mekikki.com/
075-212-5613)は、クローズ致します。ご了承くださいませ。)

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2008年9月18日 (木曜日)

9月28日・日曜 ビュー鑑賞ツアー

参加申し込み、まだ間に合いますよ。

ミュージアム・アクセス・ビュー 第20回美術鑑賞ツアー

?名嘉睦稔(ナカボクネン)の「無限の庭」で?

■日時: 2008年9月28日(日曜) 2時受付(終了時刻 4時半頃予定)
■集合場所・時間:
 1. 「思文閣美術館」前  2時
2. (京阪電車では)京阪「出町柳駅」叡山 口改札前 1時40分
3. (市バスでは)京都駅から17番 系統「百万遍」  1時40分
*その他、別の場所での待合わせ希望の方は、申込み時に個別にご相談ください。

■申し込み. / 問い合わせ
ミュージアム・アクセス・ビュー(阿部)まで
・携帯電話 080-5352-7005
(留守電の場合はこちらから連絡します。当日の緊急連絡もこの番号へ)

・メールアドレス
museum_access_view@yahoo.co.jp
(受付後、折り返し確認メールを送ります)
※お名前、連絡先、障害の有無、同伴者の有無をお知らせ下さい。
※定員になり次第締め切りますので、お申込みはお早めにどうぞ。

■参加費: 500円(入場料、運営費含む)
■募集人数: 見えない人・見えにくい人:10名
見える人:20名

++++++++++++++

宇宙の「庭」は、地球である。
地球の「庭」は、海と陸である。
海の「庭」は、珊瑚礁である。
陸の「庭」は、森である。
「無限の庭」は、尽きることのない創作の資源である。
(名嘉睦稔HP BOKUNEN’S WORLDより)

今回の舞台は京都大学や下鴨神社からほど近い思文閣美術館。
その美術館で開催されている、名嘉睦稔(ナカボクネン)氏の木版画
展・「無限の庭」を訪れます。
名嘉氏は沖縄県伊是名島(いぜなじま)生まれのアーティストで、彫刻
、琉歌、作詞、作曲など様々な分野で才能を発揮されている方です。
展覧会では「海の庭」「陸の庭」「空の庭」をテーマに、木版画作品
49点が展示されます。

作品に登場するのは広い「庭」の一角とそこに住む無数の命たちです。
例えば・・・・・・
照り付ける太陽の下にきらめく珊瑚礁と魚たち。
海には人々が働き、彼らに語られる神話にはたくさんの神々が登場します。

陸に広がる森の影に羽を休める蝶や、夕空に飛び交うとんぼたち・・・。
夜になれば闇の中に星がまたたき、満月にひかれて珊瑚たちの産卵が始まります。

作品を鑑賞していると、私たちを取り囲む「庭」の中には、思うよりも
ずっとずっと多くの命が息づいていることに気付かされるでしょう。
版画の中に物語られる南国の世界は光に満ち、普段見過ごしてしまいがちな
大自然の機微、生きとし生けるものの魂の声を、優しく、
力強く、私達に伝えてくれます。

今回取り上げる木版画は、ビューでは初めて取り組むものです。
彫刻刀によって彫り込まれた版木から生まれる木版画は、独特の勢いや
味わいを感じることができます。

絵画とも立体とも違う木版画のおもしろさを味わってみませんか?
ぜひ、ご参加ください。

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2008年9月16日 (火曜日)

グルグル渦巻き貝を作りました

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8月31日、ビューのワークショップで山科まで行きました。講師は、鈴木さん。
香港の疲れが残っていて、足がむくんでいたのでお休みしようかと思ったのですが、行ってよかった。作品作って元気になる体験でした。

見えない人、見えにくい人の参加は、5人でしたが、ちょうどいい人数でした。
サポーターのレベルも高くて、みんなそれぞれすばらしい作品ができたと思います。
詳しくは、ビューのウェブサイトでその内紹介できると思います。ここでは、自分の作品についてだけ書きます。

最初に、それぞれが感じている海の色を言葉で表現しました。
ぼくは、こどもの頃、よく泳ぎに連れて行ってもらっていた琵琶湖の和迩浜(わにはま)が記憶の底からよみがえった。
ワニが、住んでいる湖だと思っていたので、ちょっと不気味な青と、波の「シュワーっ」という感じを描きたいと発言。
濃い青にオレンジや、黄色、黒を混ぜると、不気味な色合いになるだろうというサポーター西塚さんのアドバイスで色を作ってもらう。
まだ、誰も足を踏み入れていない白い部分に、ドバッと作った色をぶちまけ、足でピチャピチャ塗る。
つるっと滑りそうになって西塚さんの腕につかまること数度。
全紙を8枚並べているとのことだが、10人が乗っかると、かなりの混雑。
足裏からは、あのなつかしいどろんこ遊びの感触が伝わってくる。

一頻り他の人の陣地にも侵入して、紙全体に海ができあがったところで一休み。
どんな色になっているかを、サポーターの人に説明してもらう。暗いところや南国らしい明るいところ、楽しそうなところも、激しい海もあるらしい。

次は、海の中にいるものや、関係するものを描く。
ぼくは、泳いでいると手足に引っかかって気持ちの悪い藻を描きたいと提案。
黒で曲線を描き、黄緑でその黒いラインに交差するようにジグザグを描く。
スポンジを石ころぐらいの大きさにちぎって、白い絵の具をつけてトントン。「シュワーっ」という波の音なのか、石ころなのかよく分からないものを描いた。

さて、ここまでが今回のワークショップの導入らしい。
今それぞれが描いた海の色の画用紙を切り抜いて、貝殻をモチーフにした絵を白いケント紙の上に作る。
海は、切り刻まれてなくなってしまうのだ。スタッフは、忙しそうにドライヤーで紙を乾かしている。
海は、海のままで存在できなくなって貝殻に姿を変える。このあたりの変換作業が、今回のワークショップの醍醐味だと思った。

巻き貝や二枚貝を触っている内に、これはもう渦巻きを切り抜くしかないだろうと思う。
ぼくが、蚊取り線香のような渦巻きを切り抜き、西塚さんがそれを少したるませながら、盛り上がりを付けてケント紙に貼っていく。
完全なる分業で、ドンドン紙の上に貝殻ができあがっていく。
正方形や、長方形を切り出してもらい、それに合わせて渦巻きを作る。
だんだん飽きてきて、渦巻きの途中にギザギザを入れたりした。
あっと言う間に時間が過ぎた。

今回できあがった作品は、貼り付けているということもあり触って鑑賞するのに適していた。
それぞれの個性が十分感じられた。
中途失明のMさんは、見えていたときの構図をぞんぶんに表現し、先天盲のYさんは、サポーターと議論しながら、観念的な世界を大胆に、
そして、Sさんは、意識してはいなかったのだろうが、セクシャルなボディイメージを表現していたと思う。
今回2回目のNさんは、少し慣れてこられたようで、「サウス・ビーチ」という作品だった。

鈴木さんの、絵の具を使うワークショップは2回目だ。
塗る楽しさ、作る楽しさ、人の作品を鑑賞する楽しさ。
それぞれバランスよく仕組まれていた。次は、どんな展開になるだろう。期待してます。

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2008年8月25日 (月曜日)

香港タイフーン6(長い一日)

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■25日(6日目)

長い一日の始まりだ。9時半頃ワークショップ会場に着き、参加者を待つ。
来た人から順番にアイマスクをしてもらい、昨夜描いておいた絵の右端に案内する。
ラインテープを頼りに1人でたどってもらう。少しラインから外れたところにある絵も素通りしないように適宜指示してもらう。
一度では納得できなくて、もう一度最初から触り直したいという人もいた。
アイマスクを取ってもらうと、絵の大きさに驚いたり、ワンタン麺が胃袋に入って行くところを理解してくれたり、日本から香港までの距離感を表しているという人などで、大凡理解してもらえたので、ほっと一安心。
12人の参加者だが、みんな丁寧に触ってくれたので、けっこう時間が掛かった。
午前の残りの時間は、ビデオでぼくのコラボレーションの様子を見てもらった。
香港の昼休みは、1時から2時というのが普通らしい。
午前は12時までというつもりで予定を組んでいたのでどうしても12時過ぎにプログラムが終わってしまう。
今日も12時半ぐらいに昼休みに突入。2時までのゆっくりした昼休みにしてもらい、参加者と一緒に近くの飲茶の店に行った。

さあ、午後からは最後のプログラム。ぼくにとっても初めての試み。
参加者を巻き込んでの一緒に描くコラボレーション。

2人一組になってもらった。3組ずつ前に出てもらい、画面を3分割して一斉に描いた。
あまりに書きこみすぎると画面が煩雑になってしまうだろうということから、三つの制約を設けた。
ラインテープは、3カットまで。カッティングシートは、2枚、2色まで。時間は15分。

かなり派手な楽しい絵ができあがった。これもADAHKの許可が取られしだい紹介するつもりだ。
締めくくりの質問を受け、4時頃に終了。

1時間ほど休んで5時からぼく自身の制作に入った。
12月に行われる展覧会に出品するための作品を作り、残していくことになっていたのだ。
しかもその様子をビデオに収めて同時に会場で流すという計画になっている。

本当は、この制作だけに1日掛けることになっていたのだ。
それがあの台風のために今から無期限で描けるまでスタッフと岸中さんをつき合わせることになってしまったわけだ。
プラダンは、A2の白が4枚。黄色が2枚用意されている。
構想はいろいろ考えていた。後は時間との勝負。
いくら何でも11時ぐらいまでには仕上げたかった。
ところが、最終日なので通訳のジェリーさんとスタッフとでぜひ食事に行きたいとのこと。
ぼくとしては、集中をとぎらせたくなかったのだが、どうも断れる雰囲気ではなかった。
その分遅くまで掛かるかもしれないがそれでもいいかという確認だけ取って8時頃から90分ぐらい食事。

10時頃から再開。どう考えても6枚は無理。
5枚での構成に変更。
結局完成したのは、午前1時過ぎ。写真を撮ったり、部屋を片付けたり、ギャラを受け取ったりして、ワークショップルームを出たのは、午前2時だった。
下の2枚は、ワンタン麺と漢方仕立てのナタデココ。
左が香港でよく飲んだ水のボトル。右が、台風に吹かれて倒れかかる木。
上が、エスカレータだが、こだわったのは、エルカレーターののり口とオリグチにある丸シール。
香港でも、音響式信号機がある。日本と音が違う。
ちょうどフライパンを叩くような音で、止まれというときには、タ タ タ タ とゆっくり鳴っている。
青になって進めというときには、タタタタタ と早いテンポで急がせる。
この仕組みが、エスカレーターののり口にも利用されている。
のり口には、早いテンポ。オリグチには、遅いテンポで鳴っている。
だから、逆方向のエスカレーターに乗り間違えることがない。
これを描きたかったのだ。
最後に5枚をまとめて台風を描いて終わり。


ホテルに帰っても興奮が続いていてなかなか眠りにつけなかった。
11時には、スタッフが朝食を買い込んで迎えに来てくれる。それまでに荷物もまとめなければ。
長い一日のことを考えながら、眠りについた。

フライト前、香港の空港でみんなでお茶にした。そのとき飲んだコーヒーは、こちらに来て初めておいしいコーヒーだった。おかげで機嫌良くして関空へ飛び立てた。

ワークショップのアシスタントや、事前のメールでのやりとりだけでなく、現地制作のアシスタントもお願いすることになった岸中さん、スタッフのシャンさん、ブライアン、通訳のジェリーさん、
どうもありがとう。

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2008年8月24日 (日曜日)

香港タイフーン5

■24日(5日目)

昨日は少し涼しいかと思ったが、また暑さは逆戻り。 
それにしても湿度が高い。気温は、京都よりやや低めかも知れないが、湿度は香港の方がまさっていると感じた。

それに比べ、建物の中の冷え方はかなりのものだ。
設定温度は、20度ぐらいになっているのではなかろうか。
ホテルの部屋では、エアコンを切って、換気扇も止めてちょうど快適な温度になる。
ワークショップをおえて部屋に帰って来ると、掃除がしてあって、エアコンも最低温度になって冷え冷えしている。まずは、エアコンを切るところから始めなければならない。
これが、香港のおもてなしなのだろう。それにしても、設定温度を少し上げて、エネルギー消費を押さえようというような雰囲気はないのだろうか。
エアコンの操作が、ダイヤルとシーソースイッチになっていたことは、せめてもの救いだった。

ワークショップ2日目の午前は、まずビデオでぼくの制作風景や作品を見てもらった。
次に、アイマスクをして3分間周りの音を聴いてもらう体験をした。
その3分間で感じたものを、丸や三角・四角のシールを画用紙に貼るということで表現してもらった。これは、初めての試みだ。
何か意識的に音を出してということも考えたのだが、自然な状態で耳を澄ますとどんな音が発見できるだろうかという試みだ。

どうやら、建物のどこかを使ってイベントをしているらしい。
リハーサルの音も途切れ途切れに聞こえてくる。
ちょっと難しいテーマかと思ったが、みんな積極的に作ってくれた。
3分間の音の変化を表現した人。自分の気持ちの変化の方に注目した人。楽しい絵ができあがった。しかし、音を絵に変換する作業が、午後から行う絵を言葉に変換する作業に結びつけばという下心は、みごとに裏切られた。


午後からは、言葉で絵を鑑賞するワークショップをした。
これはみごとに失敗。プログラムとしては、ビューの紹介をして、その後、岸中さんと現地の人をまじえてのデモンストレーション。そして、最後にグループに分かれて、アイマスクを使ってぼくの絵を鑑賞してもらった。

どこが失敗かというと、まずパワーポイントを使ってのビューの紹介は、通訳のジェリーさんの力量不足。正確に伝えるというより、自分の分かる範囲でしか伝えてくれてないなあということが分かった。ここで、絵の説明に着目するのではなく、自分の感じたままを言葉にしていくことで、ライブ感のある鑑賞ができるのだということを伝えなければならなかったのだが、手応えがなかった。
結果としてデモンストレーションが絵の説明に終始してしまった。
見えない人に絵をどのように説明すれば理解してもらえるのかというところに気持ちがいっていて、会話を楽しむとか、共有するというようなところには、最後まで注目してもらえなかった。

最後に、ぼくの絵を使ったのも、この絵には何が描かれているかという正解探しになってしまったような気がする。言葉には限界があるというような消極的な態度を助長させたかもしれない。

最後までそのあたりを切り崩すことができなかった。
見えない人に何かしてあげたい。支援の方法はどうしたらいいのだろうという関心が強かったのだろう。創作活動には、一貫してアクティブだったことを思うと、鑑賞というのはまた別の時限の話のように思えたのだろう。
そうなんだ!!このワークショップのタイトルは、「タッチ・アート」だったのだ。

6時前に終了し、少し休んでから、明日のワークショップの準備に取りかかった。一日ずつスケジュールがずれているので、明日は参加できない人もいる。
人数が半分ぐらいになるだろうとのこと。ちょうどいい人数なので、参加者にも描いてもらうことにした。

縦1メートル、横幅8メートルぐらいのロール紙をワークショップルームの壁に貼ってもらった。そこにぼくが下絵を描いておく。
明日朝、参加者は、入り口でアイマスクを渡されてこの絵を端からたどっていく。
午後からは、ぼくの絵の上に参加者が描いていく。

まず、関空から香港までの飛行機の乗り心地をラインで描いた。
そのラインの始まりの方には、関空で飲んだスタバのコーヒーとドーナツを描き、最後の香港の方には、ワンタン麺を食べているところを描き、インタビューで描いたナスを貼り付けた。

さあ、これを触ってどんな感想が聞けるか楽しみだ。

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2008年8月23日 (土曜日)

香港タイフーン4

■23日(4日目)

昨夜は、風も雨も強かった。ホテルの窓に雨が吹き付けていた。不気味な夜だった。
今朝は、雨も止み少し涼しい。街に出ると木が倒れていたりして台風のすごさに驚いた。

やっとワークショップが始まる。だが、ぼくには昨夜から決めかねて、迷っていることがある。
スケジュール通り予定をこなそうとすると、どうしても夜遅くまでの作業になる。そこまでスタッフをつき合わせていいものだろうか? そんなことを思いながら悶々としていた。

岸中さんが言うには、もっと自分のやりたいことをハッキリ言わないとダメだとのこと。相手の出方を見ながら、こちらの主張を出していくような京都的なやり方は通じない。
「ぼくは、これがやりたい」と、まずは主張しなければ!
というアドバイスに従ってこれから3日間のスケジュールについてスタッフを交えて話し合った。
かなりの強行軍になるだろうとは思いながらも、当初の予定を実現できるような方向で話しが決まった。
スタッフもぼくの提案を喜んでくれたようで一安心。しかし、忙しくなる。最後まで体力が持つだろうか?

10時過ぎにワークショップが始まった。参加者は、23人。
内、弱視の学生が一人。大学でカウンセリングの勉強をしているらしい。
他は、20代から60代の福祉関係や、教育関係や、アーティストなどだ。
中には、2年前に香港でおこなったワークショップに参加してくれた人もいた。

オリエンテーションの後、時間に余裕もあるので、自己紹介に時間を掛けるつもりだった。
「じゃあ、順番にお願いします」というなり、通訳のジェリーさんがぼくの手を引っ張ってどこかへ連れて行こうとする。
どうやら、1つ目のテーブルのところに連れて行かれたらしい。何が起こっているのかを理解するのに時間が掛かった。
気がつくと、一人目の自己紹介が終わり、握手を求められていた。
あれよあれよという間に4人ほどの自己紹介が終わり、次のテーブルに連れて行かれた。
香港で自己紹介というと、こういうスタイルになるのだろうか?
なるほど、ぼくにとっては、対面して話せるので、とても雰囲気がわってくる。
しかし、他の参加者には、声が届かない。参加者全体に向かっての自己紹介にはなっていない。他のテーブルからは、ガヤガヤした声が聞こえてくる。

困った!! 想定外の進行にストップを掛けられない自分にもどかしさを感じながら、そのまま最後まで自己紹介を続けた。
おかげで、内容がぜんぜん頭に入ってこなかった。

後になって明らかになるのだが、3日間通してこのジジェリーさんの持っていき方には苦労させられることになった。
例えば質問が出るとジェリーさんは、その質問者のところに駆けつけて対面した状態で通訳をする。どうしてもみんなでシェアするような雰囲気ではなくなってしまう。
何度か、岸中さんも交えてその問題点について話すのだが、最後まで改善されることはなかった。

1日目は、いつもやっている触覚絵本を作るワークショップなのでこちらも手慣れたもの。順調に進む。
午前中にアイマスク体験を済ませ、午後から8ページの絵本作りに取りかかった。
今回のテーマは、「私の夢」
午前中にやった立体コピーで描くテーマは、「私が大切にしているも」だった。
大切にしているものがあって、その先にどんな夢があるのだろうかというように結びつけてもらえると物語が作りやすいかなと。そんなもくろみだった。

香港の参加者の印象は、みんな積極的だということだ。
発表にしても、質問にしてもドンドン出る。
*写真で様子を伝えたいところだが、主催者に確認しなければならないのでもう暫くお待ちください

ここでは、とんでもないおもしろいものを作った人がいるのでそれだけを紹介しておく。
この人は、エコロジー系のアーティストらしい。
テーブルの上では作れないとのことで外の廊下で作業していた。いろんな材料も自分で買いに走ったようだ。
テーマとの関係は忘れてしまったが、卵の殻や、中身のヌルヌル。挽肉などとにかくあまり触りたくないような手触りのものばかりが出てくるのだ。
もちろん手もベタベタになって鑑賞どころではなくなってくる。
他の参加者が触って気持ちいいことや触りやすいということを目差しているのに対して、この人はまったく反対の方向を目差している。
なので気持ち悪いのだがそれがいい。言葉がもっと通じればもっといろんなことがきけただろうと残念だ。
手が汚れるということと、そのまま保存できないということさえクリア出来さえすればらしい作品になる。
こういう発想、好きだなぁ!!

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