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2002.10.24

『身体のイメージII. ── 手と顔の対話』について

 昨日遅くまで掛かって、大津西武6階催事場での展示を終えました。
手伝ってくれた滋賀大の学生さんたち、どうもごくろうさまでした。

 今回は、早くから新作の予定で望んでいたので、いつもより計画的に制作しました。こんなのは初めてかもしれません。
 
コンセプトについては、このページの下の方の「覚書」をご覧ください。
A3のパネルをどのように貼りあわせていくかも、ボール紙と点字用紙で模型をつくってみました。会場ではその模型を元に阿部さんが、パネルを貼りあわせてくれました。左半分はかなりアバウトに模型をつくっていたので、苦労したようです。

 作品の大まかな構成を書きます。
会場では左から見ることになってますが、描いた順番は、右からなので向かって右から説明します。
右端に長く伸び上がっているのが、頭から尾骨までのイメージ。
その横が、骨盤と顔。ナンでこんなところに顔でしょう?
その左に流れるドットは、コレステロールのイメージかな?
その左には、いろんな手を描きました。その左に長く伸び上がる部分は、昨夜会場で11時過ぎから描き始めた部分です。なんとなく身体全体のイメージ。
そして、その横に顔がならびます。
顔ノシタの抽象的なイメージは、触らせてもらった人の声のイメージからぼくが創造するかたちです。
それぞれその人の声をスキャントークで貼り付けてますので、心当たりの人はさがしてくださいね。

 さて今回は、いつも行き当たりばったりで続けていた全体のかたちを、左には、サークル、右の方には縦に伸び上がるかたちを2つというようにパネルの配置を意識してみました。いかがでしょう。多少失敗していても、はたさんが選んでくれた明るいグレーの壁面の色がカバーしてくれているはずです。
こんな開設はじゃまだから止めろと言う人もあるかもしれませんね。できたばかりのページに書き込むのが楽しくてやってますが、感想をぜひ掲示板にお書きください。

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2002.10.08

手と顔の対話覚え書き

■「手と顔の対話」への覚え書き

 哲学者鷲田清一さんは、『顔の現象学  見られることの権利』という本の中で次のように述べておられます。

「わたしはわたしを見つめる他人の表情を読むことによってしか、自分の顔を想像できないし、また想像することによってしか自分の顔に近づけない。」

 ぼくは、見えないという立場からこの一文を読んで、とても衝撃を受けました。ぼくには鏡が見えないということが、致命的だと思っていました。ところが鷲田さんに言わせれば、本当の顔は誰も見ていない。対面している相手の顔の反応を見ながら、自分の顔を想像しているんだと言います。たえず変化しつつある顔を鏡では捕らえきれないし、自分自身の目で自分の顔を、見ることは不可能だと言うのです。

 ということは、ぼくのおかれている状態はそんなにも見える人とはかけ離れてはいないことになるわけです。なぜなら、ぼくは相手の顔が見えないので、その他の情報、つまり声や話し方をひとつの鏡として、同じようなことをしているんだなあと思いました。

 しかし、ここで決定的な違いは、ぼくには対面しているあなたの顔が見えないということです。

 患者さんの背中や腕、腰・膝などは、治療のポイントとして、あるいは、症状を観察する対象として、触りなれてきました。
 しかし、その触り方は、いかに早く違いを察知するかであり、治療ポイントとしてのつぼ/経穴を見つけるかでした。
ましてや、顔面や手首から先の手をじっくりと触ることはほとんどありませんでした。
一番長い時間をかけて触っているのは、自分の顔ですね。これは、誰にもいえることです。
恋人の顔であっても、我が子の顔であってもそんなに長く触り続けた憶えはない。
表情の変化を触りながら見分けるという経験もない。
だから、彫刻として作られた顔の表情を触って読みとるのもなかなか難解なことでした。
 身近にありながら、もっとも遠い存在。
それが、ぼくにとっての他者としての「顔と手」なのです。
 今回、あえて顔と手をじっくり触らせてもらおうと思った背景には、そのようなことがあります。

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手と顔の対話プロジェクト進行中

 現在、触らせてもらった顔の印象から絵を描き始めました。A3サイズで40枚の作品になる予定です。

■「手と顔の対話」プロジェクトについてのお願い
今回「さわるアート『触覚の庭』」に出品するに当たって以下のようなプロジェクトを企画しました。ご協力お願いします。

1.手と顔をゆっくりと触る。

2.触りながら、自分の顔と手に対してどのようなイメージを持っているかを
インタビューする。その内容は、一部作品の中で公開したい。

3.触らせていただいた顔と手の印象から制作する。似顔絵を描くつもりはない。

*ご協力いただいた方には、触るポスター『ウルムの大聖堂』をプレゼントさせていただきます。

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