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2002.12.21

『光のぬくもりを感じて』 覚書

 「美術の中のかたち」を見ていただいた方からの感想が届きました。ご本人の了承を得て、その一部を引用させてもらいながら、コメントさせていただきます。

 「柳原の『カラス』は古い美術館の庭にあったときには、あんなに大きいとは認識していなくて意外でしたが、光島さんの作品とのコラボレーションによって、その躍動感が異様なほど感じられ、あの展示は不思議な世界をつくっていました。欲を言えばもう3mほど作品の幅があって欲しいと思いました」

 この柳原 義達の『道標』という作品は、どっしりとしていてかなり重量感のあるものです。ぼくは、ソレを触っている内に、このカラスを夕陽に向かって飛ばしてみたくなりました。
 画面の右側には、いつもの木を書きました。この木の左半分は、赤のラインテープで描いています。左上から夕陽の光が当たっているからです。木は、根っこから地面に現れるところで、左に向かって伸びて、途中で右に向かって弯曲していきます。その弯曲部に空洞を作っています。
 画面の中央やや左には黒の壁紙を切り抜いたカラスが左に向かって飛んでいます。左上には夕陽。その夕陽から先ほどのカラスをつらぬいて木に向かって光のラインを描いています。その光の束は、木の空洞を通り抜けて画面右下で集約されています。
 この風景画は、ぼくの頭の中で想像したものです。

 さて、このような大きな絵を、どのようにして描くのかと質問されることがよくあります。
用意される画面の大きさは前もって分かっているので、その縮尺で紙の画面を作ります。今回の場合だと24センチ×48センチの紙を用意しました。ソレを触りながら構図を考えます。さらに4分割にして折り目を付けてその中での位置関係などを考えます。
 実際の壁面を前にしたら、まず端から端までなんども壁を触りながら歩き回ります。この壁面にもテープで4分割の印を付けます。そして一気に書き進めていくわけです。 今回この絵に要した時間は約8時間でした。

 「他に気に入ったのは、『フォートリエのトルソーをさわる』。あれは光島さんの作品の方が美しい。トルソーのもつ不安なニュアンスが昇華されていて安定した存在感になっていたことに興味がありました」

 そう言ってもらうとうれしいです。これは、もっとも短時間で描いてしまいました。あまり早すぎて、こんなのでいいのだろうかと思っていました。

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