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2003.01.24

言ってはいけないこと

 これだけは言ってほしくないという言葉がありますね。
昨年12月「美術の中のかたち」が始まってから、そんな言葉が一つ増えました。

 今回のDMには、ロダンの『痙攣する大きな手』とぼくの「顔シリーズ」から一点を、それぞれ並べて載せてもらいました。このDMを、あまり美術に縁のなさそうな鍼灸院を訪れる患者さんなどに手渡したときの反応です。

 「このブロンズの手はいいですね!」
 ぼくは、なにげなく説明する。
 「今回の展覧会では、美術館所蔵のブロンズを触らせてもらって、その印象でぼくが絵を描きました。それらを一緒に展示してもらってるんですよ」

 すると、患者さんは、しげしげとDMを眺めていたのか、しばらくして、
「本当にこの手は迫力がありますね!」と言う。

 ぼくは、力が抜けてしまう。

 ということで、くれぐれも申し上げますが、ぼくの前でロダンの手を褒めないようにお願いします。どうしてもロダンに対して競争心をもやしてしまうのです。
それにしても、ロダンの手の印象を絵にしたぼくの作品を、DMに載せなくてよかった。じつは、印刷の期日に間に合わなかったのだが。あえて顔を選んでくれたのは、学芸員服部さんの心遣いだろうと感謝している。
 ぼくは、このDMのラインを触るたびに思い知らされる。なにに対しても挑もうとする向こう見ずで傲慢なにんげんであることを。

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