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2006.08.03

手で見る鑑賞術ワークショップに参加して(その3)

古川さんの音を触るというデモンストレーションは、簡単に言えば、スピーカーの振動を指先で感じてみようと言うもの。
ガラスの割れる音や、バイオリンの音など、日常の音をいろいろサンプリングしていた。
ぼくはスピーカーの振動板のコーンに指を充ててみたことがあるので、あまり違和感はなかった。

しかし、参加者の中には、この振動が耐えられないという人もいた。
たしかに、ビリビリと指先に伝わってくる感じは、30年ぐらい前に試したことのある
オブタコンという文字読み取り装置を思い出させた。くすぐったくて、イライラしてくるあの感じだ。
でもこの装置からは、そんな違和感は伝わって来ない。
音によって振動の違いが伝わってくるので、もう少し繊細なデバイスが用意されたら、
このビリビリ感はここちよい刺激になるのではないだろうか。

いまのところこの装置では、音も一緒に聞こえてくる。
純粋に振動だけに置き換えられたら、もっとおもしろいものになるのではないだろうか。
ここちよい振動が伝わってくれば、治療的な役割も果たすかもしれない。
錯覚かもしれないが、振動には高さもあるように感じた。このあたりもうまく使えるとおもしろいだろう。

ひょっとしたら、これは、視覚障害者ではなく、聴覚障害者にとっておもしろいものになるかもしれない。


牛さんのデモは、ピンディスプレイだ。
点字を、ピンの凹凸で表すものはどこにでもあるが、点字ではなく、映像を表現しようとしているところがおもしろい。
さらに進んで、動画になっているところに特に注目した。

1行分のディスプレイではなくて、点字用紙1枚分、B5ぐらいの画面にピンが密集している。
ピンを同時にオンすることはもちろんできるわけだが、左からあるいは、上から順にピンがオンしていく。
と同時に最初オンしたピンがオフになっていく。
そうすると例えば3センチぐらいのラインが左から右へ、あるいは、上から下へ移動していくのが感じられる。
指先でその行き先を追いかけることもできるのだ。
このピンノ固まりを、指先で追いかけるのは快感だ。連続的ではなく、その場から消えたかと思うと、まったく違う場所に突然現れる。
両手を使い、手の平も使って追いかける。なかなかスリリングだ。

両手の平をべたっと画面に押し当てているとその手の平の中で丸が広がったり縮まったりするのがわかる。
とてもアクティブで楽しい。
参加していた、盲学校に通っている小学生も、声を上げたり足をバタバタさせて喜んでいた。
ぼくもこのディスプレイで人の動きなどを触ってみたくなった。
もっと大きい画面がほしくなる。A3ぐらいになると1千万円以上必要だそうだ。
ピンだけの表現ならA3以上の大きさは必要ないかもしれない。手の平で追いかけられる大きさには限度もあるし、頭がついていかないかもしれない。
しかし、音と組み合わせるならもっともっと大きい画面でもおもしろいことはできるはずだ。
1億円ぐらいの予算で何かやってみたいな。

最終日には、このお二人といろいろ意見交換もさせていただいた。
1億円は別として、これらの機材をうまく使って展覧会が構成できればいいなぁ!!

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