« 「ライフ」展 | トップページ | 鍼灸院のコマーシャル »

2006.08.29

『手を伸ばせばそこに』

水戸芸術館で、ワークショップと公開制作をしてきました。
ワークショップ担当の学芸員は、森山さん、
公開制作担当は、今回の「ライフ」展を企画した高橋さんでした。
ワークショップもたくさん企画されているし、展覧会でもいろんな新しい試みをされていて、みなさん器が大きいというか、
自由にものを考えられる人たちだったので、とてもいい時間を過ごさせていただきました。
たぶん、参加してくれた人や見に来てくれた人も、かなりの満足度ではなかったかと自画自賛しています。

ここでは、27日・日曜の午前10時から描き始めた『手を伸ばせばそこに』という
タイトルの作品を紹介します。会期中だけ存在する作品です。どうぞご覧ください。
Sany0017
Sany0012

壁面は、白。幅9メートル、高さ5メートル。
少しだけ左右の壁にもはみ出しています。余白を残して終わるというのが苦手なので、
このように少しはみ出して終わらせるとなぜか安心です。
ちょうど左右の中心に窓があります。窓までの高さが約120センチ。
窓の大きさは、約180センチ四方なので、作品の一番高いところは、3メートルに達しているわけです。

さて、この窓が思っていたものと違う。窓には、奥行きがあったのです。
奥行き、約80センチ。ぼくは、その窓まで脚立を使って登ります。そして、その窓の
空間に入り込んで作業をしました。窓の外も通路になっていたので、そちら側に回って
見た人からは、ぼくはたぶん動物園の熊だったかな?

まず描いたのは、窓に向かって左手の壁。
バーミリオン(ぼくの中では、オレンジ色の赤に近いもの、朱色)のカッティングシートを使って身体のイメージを。
そして、イエローオレンジのラインテープで、根っ子にも見えるはずの足から身体のラインを続けました。
ここまで描き終えて一休み。昨日のワークショップ参加者も数人、朝早くから
見に来てくれてました。そして、その人たちから意外な感想を聞くことになりました。
いま描いた人は、走っているというのです。
ぼくは、身体と木を合体させたイメージでやっていこうかと思っていたのですが……。
その後、腕も枝のように描き加えたのですが、ますます早く走っているように見えるとのこと。
じつはこの時点で次に描くイメージを少し変更しました。
あまり木にこだわらなくてもいいのだと思えるようになってきたからです。

窓に向かって右の壁面には、サックスブルー(ぼくの中では、空色)の
カッティングシートを使って泳ぐ人のイメージを描きました。

ぼくは、展覧会に来てくれた人の感想を、できるだけ聞くようにしている。
その感想から見え方を感じる。それを次の絵に反映させる。
今回は、公開制作ということで、描き進む過程で感想を聞くことができた。
描きながら、見てくれた人のイメージを借りて先に進んで行く。そういうやり方もあってもいいのではないだろうか。
いつも言っている関係性の中で絵を描いていくということだ!!

さて、昼からは、まずこの部屋のスピーカーが埋め込まれている窓の下に、
そのスピーカーを顔の口のあたりに来るようにして左右2人の子どものイメージを描きました。
それからいよいよ窓に取りかかりました。
左右の身体イメージから腕が伸びてきて窓にグルグル渦巻きになっていく。
これがまさに生命力だと言いたいのです。

いよいよ制作も終盤。2人の子どもの腕を左右の人の腕に伸ばしました。
ぼくがいつも手引きしてもらって街を歩いているときには、人の腕をつかんでいます。
そんなイメージですが、そのことによって、走る人のスピード感が、あるいは、泳ぎの
動きが衰えては困るなと思って、また感想を求めましたが、特にそのようなことはないとのこと。ほっと一息。

今回のフィニッシュは、空に泳いでいく人の周囲に水玉を貼り付けました。
午後5時過ぎでした。
予想以上にスムーズに絵が描けたのは、学芸員の高橋さんのやりくりと観衆の感想とアシスタントのおかげでした。
どうもありがとうございました。Sany0029
Sany0041
Sany0039_1

|

« 「ライフ」展 | トップページ | 鍼灸院のコマーシャル »

作品・展覧会」カテゴリの記事

コメント

戸田さん、コメントありがとうございます。
 ライブというのは、独得の緊張感ですね。一度やったら止められないという感じです。

 8月は、毎年鍼灸院の患者さんが少なくなる月ですが、おまけに今年は、展覧会でたくさん休診の日が増えました。
今月の収入が木になるところです。
9月は、京都でゆっくり鍼に励みます。といっても患者さんが来てくれなければどうにもならないのですが。

投稿: 光島 | 2006.08.31 10:33

光島さん、この夏は、本当にいろんなところで、いろんな面白い試みをされてますね。見ている人が感じたことを取り込みながら、作品を創っていくって、ライブ制作ならではの醍醐味だと思います。きっと会場そのものが持つ雰囲気も、作品に反映されてくるんでしょうね。
外から見た窓枠の中の制作風景写真、光島さん自身も作品の一部になっていて、なかなか素敵です。そのタイミングで見ることのできた人、ラッキーでしたね! 

投稿: Toda | 2006.08.30 23:41

あめたろうさん、コメントありがとうございます。
 トラックバック、ぼくの苦手なやつですね。ぼくも挑戦してみようかな。
もうひとつの美術館の写真も追加アップしてます。

投稿: 光島 | 2006.08.30 15:44

臨場感あふれる説明で、フムフムと思いますが、これはやっぱりライブで見たかったなぁ~と思いました。窓の制作は今までいろんな所でやってこられてますよね、窓は残せないのがとても残念ですね。トラックバックさせてくださいね~。

投稿: アメタロウ | 2006.08.30 14:25

写真は、小さくなって、見にくいけれど、クリックしたら大きくみれるので見て下さい。
外から見た、熊・・? の様子もアップしました。
あと、制作風景と、完成の作品を部分と全体のをアップしています。

投稿: ezu-ko | 2006.08.30 10:43

大向さん、コメントありがとうございます。
 写真のアップは、阿部さんにお願いしています。
データをもらって自分でやりたいなと思ったのですが、なんかそういう画面はうまく読み上げてくれないんです。
要望も出しておいたのですが、まだ改善はされてないですね。

投稿: 光島 | 2006.08.30 09:40

夏の終わりの思い出に、水戸について行ったらよかった、と深~く後悔してます。
けれど、居ながらにして、制作風景を見せてもらい、作品解説までしてもらって、サイコーですわ。
いったいどんなふうにしてブログに写真を載せはるのか・・・謎ですわ~

投稿: おおむかい | 2006.08.29 22:10

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 『手を伸ばせばそこに』:

« 「ライフ」展 | トップページ | 鍼灸院のコマーシャル »