画面から外れてもいい
個展も終わり、いつもの鍼の仕事を続ける毎日です。
来場者数、約300人。
なつかしい人にもたくさんお会いすることができました。
はねうさぎの雰囲気を、デジカメで「やまみ」(ハンドルネーム)さんに撮ってもらいました。ありがとうございます。
京都で作品を発表するときには、必ず来ていただき、写真を撮ってもらってます。
「やまみ」さんのブログを紹介しておきます。
http://blogs.yahoo.co.jp/yamamichidemayou
です。
今回の作品の1つの特徴は、縦長の絵です。
A3を縦割りにした黒バックの絵もそうなんですが、作品ナンバー25は、A4のケント紙を縦に8枚繋げたものです。
これまでにも横長の絵はたくさん描いてきました。ある意味では、横長なら、どこまで繋がってもだいじょうぶ。ドンドン描ける!!という感じなんです。
しかし、縦に伸びる画面には、どうも釈然としない気持ちが付きまといます。
物理的に上に手の伸ばせるのは、2メートルぐらいまでで、それ以上になると、脚立などに登らなくてはなりません。
いくら脚立に登ったり、降りたりしても実感として絵のスケールが実感できないのです。
横に広がるものは、絵の前を行ったりきたり、いくらでも歩き回れるわけです。
で、今回の25番は、蛇腹状に折りたためるようにして少しずつ上に描き進みました。
実際に描くときには、紙を回転させたりしているので、一直線に上に向かっているというわけではありません。
しかし、意識の上では上へ上へと伸びていくイメージで車を走らせたつもりです。
もう一つ、これらの絵に特徴的なことは、画面から一度外れて、もう一度戻ってくるという描き方をしているところかと思っています。
前回おてらはうすで展示したときにも、横長の絵でそういう試みを少しやっています。
一度画面から外れて、また戻ってくるという描き方をしました。
今回この18番では、根っ子があって、幹が右の方に画面から外れていく。上の方で再び
画面に現れるという構図を使いました。
これは、木のイメージなんですが、メモ帳には、「女性が泣き叫んでいる」というような書き込みがたくさんあってビックリしました。
ぼくが描こうとしているものと、見える人が思い浮かべるイメージとの落差があれば
あるほど、その絵がおもしろくなるように思えてきました。
会場に来てくれたなつかしい人たちと茶飲み話をしていたら、
「浮世絵では、画面の途中で絵が切れていることがよくあって、それがおもしろくて西洋の画家が真似をしていた」というようなことを聞きました。
浮世絵の構図の特徴の1つに、画面を断ち切るというのがあるんですね。ぼくにはこれが画期的な構図に思えてきてます。
粘土でオブジェを作ってもかたちが空間の外にはみ出していくというようなことは考えたことがありませんでした。
絵を描いていても、中心をずらせるということは意識していても、画面の中だけでの移動でした。
画面の中に存在させたいと思っているものが、画面から外に逃れていって、自由に空間を駆けめぐり再び画面の中に存在してくるというのは、ぼくには想像もできなかったことなんです。
こんなことができるのならもっといろんなものが描けそうだという気分になってウキウキしています。
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