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2008.08.25

香港タイフーン6(長い一日)

■25日(6日目)

長い一日の始まりだ。9時半頃ワークショップ会場に着き、参加者を待つ。
来た人から順番にアイマスクをしてもらい、昨夜描いておいた絵の右端に案内する。
ラインテープを頼りに1人でたどってもらう。少しラインから外れたところにある絵も素通りしないように適宜指示してもらう。
一度では納得できなくて、もう一度最初から触り直したいという人もいた。
アイマスクを取ってもらうと、絵の大きさに驚いたり、ワンタン麺が胃袋に入って行くところを理解してくれたり、日本から香港までの距離感を表しているという人などで、大凡理解してもらえたので、ほっと一安心。
12人の参加者だが、みんな丁寧に触ってくれたので、けっこう時間が掛かった。
午前の残りの時間は、ビデオでぼくのコラボレーションの様子を見てもらった。
香港の昼休みは、1時から2時というのが普通らしい。
午前は12時までというつもりで予定を組んでいたのでどうしても12時過ぎにプログラムが終わってしまう。
今日も12時半ぐらいに昼休みに突入。2時までのゆっくりした昼休みにしてもらい、参加者と一緒に近くの飲茶の店に行った。

さあ、午後からは最後のプログラム。ぼくにとっても初めての試み。
参加者を巻き込んでの一緒に描くコラボレーション。

2人一組になってもらった。3組ずつ前に出てもらい、画面を3分割して一斉に描いた。
あまりに書きこみすぎると画面が煩雑になってしまうだろうということから、三つの制約を設けた。
ラインテープは、3カットまで。カッティングシートは、2枚、2色まで。時間は15分。

かなり派手な楽しい絵ができあがった。これもADAHKの許可が取られしだい紹介するつもりだ。
締めくくりの質問を受け、4時頃に終了。
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1時間ほど休んで5時からぼく自身の制作に入った。
12月に行われる展覧会に出品するための作品を作り、残していくことになっていたのだ。
しかもその様子をビデオに収めて同時に会場で流すという計画になっている。

本当は、この制作だけに1日掛けることになっていたのだ。
それがあの台風のために今から無期限で描けるまでスタッフと岸中さんをつき合わせることになってしまったわけだ。
プラダンは、A2の白が4枚。黄色が2枚用意されている。
構想はいろいろ考えていた。後は時間との勝負。
いくら何でも11時ぐらいまでには仕上げたかった。
ところが、最終日なので通訳のジェリーさんとスタッフとでぜひ食事に行きたいとのこと。
ぼくとしては、集中をとぎらせたくなかったのだが、どうも断れる雰囲気ではなかった。
その分遅くまで掛かるかもしれないがそれでもいいかという確認だけ取って8時頃から90分ぐらい食事。

10時頃から再開。どう考えても6枚は無理。
5枚での構成に変更。
結局完成したのは、午前1時過ぎ。写真を撮ったり、部屋を片付けたり、ギャラを受け取ったりして、ワークショップルームを出たのは、午前2時だった。
下の2枚は、ワンタン麺と漢方仕立てのナタデココ。
左が香港でよく飲んだ水のボトル。右が、台風に吹かれて倒れかかる木。
上が、エスカレータだが、こだわったのは、エルカレーターののり口とオリグチにある丸シール。
香港でも、音響式信号機がある。日本と音が違う。
ちょうどフライパンを叩くような音で、止まれというときには、タ タ タ タ とゆっくり鳴っている。
青になって進めというときには、タタタタタ と早いテンポで急がせる。
この仕組みが、エスカレーターののり口にも利用されている。
のり口には、早いテンポ。オリグチには、遅いテンポで鳴っている。
だから、逆方向のエスカレーターに乗り間違えることがない。
これを描きたかったのだ。
最後に5枚をまとめて台風を描いて終わり。

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ホテルに帰っても興奮が続いていてなかなか眠りにつけなかった。
11時には、スタッフが朝食を買い込んで迎えに来てくれる。それまでに荷物もまとめなければ。
長い一日のことを考えながら、眠りについた。

フライト前、香港の空港でみんなでお茶にした。そのとき飲んだコーヒーは、こちらに来て初めておいしいコーヒーだった。おかげで機嫌良くして関空へ飛び立てた。

ワークショップのアシスタントや、事前のメールでのやりとりだけでなく、現地制作のアシスタントもお願いすることになった岸中さん、スタッフのシャンさん、ブライアン、通訳のジェリーさん、
どうもありがとう。

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2008.08.24

香港タイフーン5

■24日(5日目)

昨日は少し涼しいかと思ったが、また暑さは逆戻り。 
それにしても湿度が高い。気温は、京都よりやや低めかも知れないが、湿度は香港の方がまさっていると感じた。

それに比べ、建物の中の冷え方はかなりのものだ。
設定温度は、20度ぐらいになっているのではなかろうか。
ホテルの部屋では、エアコンを切って、換気扇も止めてちょうど快適な温度になる。
ワークショップをおえて部屋に帰って来ると、掃除がしてあって、エアコンも最低温度になって冷え冷えしている。まずは、エアコンを切るところから始めなければならない。
これが、香港のおもてなしなのだろう。それにしても、設定温度を少し上げて、エネルギー消費を押さえようというような雰囲気はないのだろうか。
エアコンの操作が、ダイヤルとシーソースイッチになっていたことは、せめてもの救いだった。

ワークショップ2日目の午前は、まずビデオでぼくの制作風景や作品を見てもらった。
次に、アイマスクをして3分間周りの音を聴いてもらう体験をした。
その3分間で感じたものを、丸や三角・四角のシールを画用紙に貼るということで表現してもらった。これは、初めての試みだ。
何か意識的に音を出してということも考えたのだが、自然な状態で耳を澄ますとどんな音が発見できるだろうかという試みだ。

どうやら、建物のどこかを使ってイベントをしているらしい。
リハーサルの音も途切れ途切れに聞こえてくる。
ちょっと難しいテーマかと思ったが、みんな積極的に作ってくれた。
3分間の音の変化を表現した人。自分の気持ちの変化の方に注目した人。楽しい絵ができあがった。しかし、音を絵に変換する作業が、午後から行う絵を言葉に変換する作業に結びつけばという下心は、みごとに裏切られた。

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午後からは、言葉で絵を鑑賞するワークショップをした。
これはみごとに失敗。プログラムとしては、ビューの紹介をして、その後、岸中さんと現地の人をまじえてのデモンストレーション。そして、最後にグループに分かれて、アイマスクを使ってぼくの絵を鑑賞してもらった。

どこが失敗かというと、まずパワーポイントを使ってのビューの紹介は、通訳のジェリーさんの力量不足。正確に伝えるというより、自分の分かる範囲でしか伝えてくれてないなあということが分かった。ここで、絵の説明に着目するのではなく、自分の感じたままを言葉にしていくことで、ライブ感のある鑑賞ができるのだということを伝えなければならなかったのだが、手応えがなかった。
結果としてデモンストレーションが絵の説明に終始してしまった。
見えない人に絵をどのように説明すれば理解してもらえるのかというところに気持ちがいっていて、会話を楽しむとか、共有するというようなところには、最後まで注目してもらえなかった。

最後に、ぼくの絵を使ったのも、この絵には何が描かれているかという正解探しになってしまったような気がする。言葉には限界があるというような消極的な態度を助長させたかもしれない。

最後までそのあたりを切り崩すことができなかった。
見えない人に何かしてあげたい。支援の方法はどうしたらいいのだろうという関心が強かったのだろう。創作活動には、一貫してアクティブだったことを思うと、鑑賞というのはまた別の時限の話のように思えたのだろう。
そうなんだ!!このワークショップのタイトルは、「タッチ・アート」だったのだ。

6時前に終了し、少し休んでから、明日のワークショップの準備に取りかかった。一日ずつスケジュールがずれているので、明日は参加できない人もいる。
人数が半分ぐらいになるだろうとのこと。ちょうどいい人数なので、参加者にも描いてもらうことにした。

縦1メートル、横幅8メートルぐらいのロール紙をワークショップルームの壁に貼ってもらった。そこにぼくが下絵を描いておく。
明日朝、参加者は、入り口でアイマスクを渡されてこの絵を端からたどっていく。
午後からは、ぼくの絵の上に参加者が描いていく。

まず、関空から香港までの飛行機の乗り心地をラインで描いた。
そのラインの始まりの方には、関空で飲んだスタバのコーヒーとドーナツを描き、最後の香港の方には、ワンタン麺を食べているところを描き、インタビューで描いたナスを貼り付けた。

さあ、これを触ってどんな感想が聞けるか楽しみだ。

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2008.08.23

香港タイフーン4

■23日(4日目)

昨夜は、風も雨も強かった。ホテルの窓に雨が吹き付けていた。不気味な夜だった。
今朝は、雨も止み少し涼しい。街に出ると木が倒れていたりして台風のすごさに驚いた。

やっとワークショップが始まる。だが、ぼくには昨夜から決めかねて、迷っていることがある。
スケジュール通り予定をこなそうとすると、どうしても夜遅くまでの作業になる。そこまでスタッフをつき合わせていいものだろうか? そんなことを思いながら悶々としていた。

岸中さんが言うには、もっと自分のやりたいことをハッキリ言わないとダメだとのこと。相手の出方を見ながら、こちらの主張を出していくような京都的なやり方は通じない。
「ぼくは、これがやりたい」と、まずは主張しなければ!
というアドバイスに従ってこれから3日間のスケジュールについてスタッフを交えて話し合った。
かなりの強行軍になるだろうとは思いながらも、当初の予定を実現できるような方向で話しが決まった。
スタッフもぼくの提案を喜んでくれたようで一安心。しかし、忙しくなる。最後まで体力が持つだろうか?

10時過ぎにワークショップが始まった。参加者は、23人。
内、弱視の学生が一人。大学でカウンセリングの勉強をしているらしい。
他は、20代から60代の福祉関係や、教育関係や、アーティストなどだ。
中には、2年前に香港でおこなったワークショップに参加してくれた人もいた。

オリエンテーションの後、時間に余裕もあるので、自己紹介に時間を掛けるつもりだった。
「じゃあ、順番にお願いします」というなり、通訳のジェリーさんがぼくの手を引っ張ってどこかへ連れて行こうとする。
どうやら、1つ目のテーブルのところに連れて行かれたらしい。何が起こっているのかを理解するのに時間が掛かった。
気がつくと、一人目の自己紹介が終わり、握手を求められていた。
あれよあれよという間に4人ほどの自己紹介が終わり、次のテーブルに連れて行かれた。
香港で自己紹介というと、こういうスタイルになるのだろうか?
なるほど、ぼくにとっては、対面して話せるので、とても雰囲気がわってくる。
しかし、他の参加者には、声が届かない。参加者全体に向かっての自己紹介にはなっていない。他のテーブルからは、ガヤガヤした声が聞こえてくる。

困った!! 想定外の進行にストップを掛けられない自分にもどかしさを感じながら、そのまま最後まで自己紹介を続けた。
おかげで、内容がぜんぜん頭に入ってこなかった。

後になって明らかになるのだが、3日間通してこのジジェリーさんの持っていき方には苦労させられることになった。
例えば質問が出るとジェリーさんは、その質問者のところに駆けつけて対面した状態で通訳をする。どうしてもみんなでシェアするような雰囲気ではなくなってしまう。
何度か、岸中さんも交えてその問題点について話すのだが、最後まで改善されることはなかった。

1日目は、いつもやっている触覚絵本を作るワークショップなのでこちらも手慣れたもの。順調に進む。
午前中にアイマスク体験を済ませ、午後から8ページの絵本作りに取りかかった。
今回のテーマは、「私の夢」
午前中にやった立体コピーで描くテーマは、「私が大切にしているも」だった。
大切にしているものがあって、その先にどんな夢があるのだろうかというように結びつけてもらえると物語が作りやすいかなと。そんなもくろみだった。

香港の参加者の印象は、みんな積極的だということだ。
発表にしても、質問にしてもドンドン出る。
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ここでは、とんでもないおもしろいものを作った人がいるのでそれだけを紹介しておく。
この人は、エコロジー系のアーティストらしい。
テーブルの上では作れないとのことで外の廊下で作業していた。いろんな材料も自分で買いに走ったようだ。
テーマとの関係は忘れてしまったが、卵の殻や、中身のヌルヌル。挽肉などとにかくあまり触りたくないような手触りのものばかりが出てくるのだ。
もちろん手もベタベタになって鑑賞どころではなくなってくる。
他の参加者が触って気持ちいいことや触りやすいということを目差しているのに対して、この人はまったく反対の方向を目差している。
なので気持ち悪いのだがそれがいい。言葉がもっと通じればもっといろんなことがきけただろうと残念だ。
手が汚れるということと、そのまま保存できないということさえクリア出来さえすればらしい作品になる。
こういう発想、好きだなぁ!!


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2008.08.22

香港タイフーン3

■22日(3日目)

7時半頃、通訳のジェリーさんからワークショップ中止の連絡がある。
レベル8が出ているとのこと。台風の速度はゆっくりで、しかも直撃。午後からもたぶん無理だろうとのこと。
さてワークショップの日程はどうなるのか?

通訳の人を介しての話でいまいち要領を得ないところもあるのだが、
一日ずつずらして行えるように参加者に連絡しているとのこと。
ということは、ギャラには影響ないが、最終日25日に予定していた現地制作はどうなるのだろう?
ぼくの制作風景をビデオに収めて、12月の展覧会で発表する計画なのだ。
ひょっとして、最終日のワークショップ終了後描くということなのか?
いろんなことが決まらないが、あれもこれも通訳の人に委ねてもややこしくなりそうなので、とりあえず明日の待ち合わせだけ確認して電話を切る。

ホテル周辺の店も店じまいの様子らしいので、とりあえず朝食は、マクドナルドのフィレオフィッシュとハッシュポテトとホットコーヒーの持ち帰りにする。
朝マックというところだろうか。ホットコーヒーの袋には、大きなフレッシュミルク(15ミリぐらいだろうか?)が2つも入っていた。
シュガーのスティックも大きい。後で分かったことだが、このレギュラーコーヒー以外にマックコーヒーというのがあった。
とてもにがいコーヒーの底に、ミルクがたっぷり沈んでいるもので、これには、シュガーを入れないと飲みきれない。
あの苦さはインスタントコーヒーだろうか? コーヒーを入れて、さらにその上からインスタントの粉を入れているような気がするんだけど。

通訳のジェリーさんによると、香港人が飲むコーヒーは、ミルク砂糖入りが普通だとのこと。確かに、ランチセットに付いてくるアイスコーヒーもそうだった。
ブラックコーヒーを、飲む習慣はないらしい。
スターバックスはたくさんあるらしいが最後まで行くチャンスがなかったのは残念。

帰ってからネットで探して知ったのだが、香港のマクドナルドには、夕方のメニューでチキンとライスが出てくるものがあるらしい。次の機会があればぜひ食べてみたいものだ。

午後からますます風も雨も強くなってきた。
ホテルの中のレストランで昼食も夕食も済ませて、部屋で、明日からのワークショップについてあれやこれやと考えるしかない一日だった。
ゆっくりはできた。明日からがんばるしかない。

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2008.08.21

香港タイフーン2

■21日(2日目)

朝食は、昨夜と同じチャイニーズレストランで中華粥。けっこうボリュームがある。ピータンも入っていて栄養満点。

11時頃、ADAのワークショップルームで取材を受ける。
工場跡の建物の一室をADAHKが借りているらしい。
通訳のジェリーさんとも初顔合わせ。
インタビューで困ったのは、何か絵を描いてほしいというリクエスト。
ときどき言われることなので、ある程度予想していた。まあ、喜んでもらえるならと描く。
適当に描いたかたちは、ナスに見えたらしい。
カッティングシートを適当に切り、ラインテープを手の動くままに引いていっただけだ。
「なぜナスなのか?」 「何か深い意味があれば教えてほしい」
と、真剣に聞かれても困る。
後になって、通訳の人の限界を知ってからは、もう少し食い下がって質問の意味を問い詰めた方がよかったと思った。
あんがい、簡単な質問だったのかも知れない。
でも、その場では、きっと物語を必要とされているのかと思い、もう一度描き終えた絵をさわりなおした。
鋭く尖った部分と緩やかな曲線。ワークショップを前にしての緊張感と、
何のトラブルもなくすんなりと終わってほしいというメッセージとした。
とりあえずそれで納得してもらった。本当は、何も考えてなかったのだけれど。

ADAHKのもう1人のスタッフ、ブライアン(男性)と画材を調達に。プラダンとラインテープを買う。

いよいよ台風が近づいている。直撃間違いなしとのこと。
まず、明日は、朝からはワークショップはできないだろうとのこと。
午後からとか、丸1日キャンセルになることも想定してほしいと言われる。
香港では、台風情報でレベル8以上が出ると、会社や学校もお店もすべて休みになる。
ワークショップも中止になるとその分の講師料もカットされるのだ。
思わず減収の計算をしてみた。

夕食は、ホテルの近くの狭いスープヌードルのお店。
ワンタン麺と野菜炒めを食べた。
スープはあっさりしていて、麺が細い。ワンタンにはしっかり味が付いている。そしてでっかい。4つも入っていた。

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2008.08.20

香港タイフーン1

8月20日、香港へ。
今回は、ワークショップを3日連続でやる。同じ参加者に20時間のワークショップをするのだ。もちろん初めての経験。しかも海外で。
20日午後、香港着。
空港には、ADAHKのシャンさん(女性)が迎えてくれる。
台風が近づいているとの情報を聞く。
4日間のスケジュールと契約について確認。契約書にサイン。
シャンさんにホテル近くのお店を案内してもらう。

夕食は、今回、通訳兼アシスタントをお願いした岸中さんが、目星を付けてくれたお店に行く
地元の人が行くようなお店の様だった。
酢豚や餡かけソバや、スープ。
広東料理は、少し甘めだが、アッサリしていておいしい。
ぼくは、チンタオビールの大瓶を飲んで満足。

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2008.08.12

国際美術教育学会でミニワークショップ

8月8日、大阪国際交流センターでおこなわれた「第32回InSEA国際美術教育学会」に行ってきました。全体の雰囲気などよく分からないまま、群馬大の茂木先生からの依頼でミニワークショップを引き受けました。200人ぐらい入りそうなホールで、いつもの『京阪天満橋』をどんな風にやれるだろうかと、少し不安でした。

全体の流れは、
茂木一司(群馬大学教育学部教授)の養護学校や、盲学校でのワークショップの報告。
次に光島 貴之(アーティスト・鍼灸師)のミニワークショップ。
古川聖(東京藝術大学美術学部先端芸術表現科准教授、メディアアーティスト )の音と映像を使ったワークショップの報告。
苅宿俊文(青山学院大学社会情報学部教授)のワークショップの考え方とまとめ。
という錚々たるメンバーに取り囲まれての発表でした。

みんな、パワーポイントや、ビデオ映像を駆使しての発表ですが、ぼくだけアイマスクを使ったりして、めっちゃアナログなことになってました。
アイマスクをして、『京阪天満橋』を体験してもらっている人には、退屈させないという自信はあるのですが、それ以外の大勢の人には、しゃべりだけで楽しんでもらわなければなりません。おっと、これは学会でした!!楽しむのではなく、知識を集積してもらう場でしたね(笑)
もう、このあたりからぼくの認識がずれてますね。

会場は、備え付けの椅子が、緩やかなスロープに並べられています。
机や椅子を持ち出すスペースの余裕がありません。
何とか、パネラーの席を空けてもらい、ワークショップ体験ができるようにセッティングしてもらいました。画板なども駆使して、30名あまりのアイマスク参加が可能になりました。
内2名が外国からの参加者です。
1人モニターになってもらい、指先の動きをウェブカメラで撮りながら、プロジェクターに映して会場の人に見てもらいました。

こういうやり方は初めてで、どの程度集中してもらえるのかが心配でした。
でも、難しい発表ばかりで頭が疲れていた人が多かったとみえて、気分転換としてうまく受け入れてもらえたようです。

世界学会なので、同時通訳付きです。
事前に、語り原稿を出すようにという指示もあり、点字でも原稿を仕上げて読み上げる学会らしいやり方をしなければならないかと、当日の朝早く(午前3時)に起き出して、久しぶりで点字タイプライターに向かいました。20分ぐらいの原稿は、点字で10枚になりました。

会場では、始めの2ページほどは、かなり原稿に忠実に読み上げていました。だんだん調子が出てくると、いったいどこを読んでいるのかも分からなくなり、その場の雰囲気を読みながらのしゃべりになってしまいました。

結果的には、それでよかったと思うのですが、同時通訳の人には、ご迷惑をお掛けしたかもしれません。ということは、レシーバーを付けて、英語を聞きながらの外国のお二人には、かなり苦労をお掛けしたかもしれません。

終わってから、いろんな人──特に特別支援学校の先生──が質問に来てくれました。
何と10年前、『京阪天満橋』を初めて使ったワークショップに参加してくれていた人にお会いできたのは、驚きでした。

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2008.08.05

『ノルウェイの森』ってポルノ小説だった?

週末、村上春樹の『ノルウェイの森』上・下巻を一気に読破。
読み終えての感想は、
「これってポルノだった?
ちょっと下品な言い方をさせてもらうなら、
登場人物は、ほとんどが精神障害者の女性で、主人公の渡辺が、その女性たちとやりまくる。
渡辺は、もうすぐ二十を迎える一応健常者と思われる男性。

これまでに『海辺のカフカ』は、読んだことがある。ま、村上春樹もなかなかだと思っていて、次に読みたくなったときには、この『ノルウェイの森』を読むつもりでいたのだ。
読みやすいし、おもしろいことには変わりないが、どうも読後感がスッキリしない。

ベストセラーになった作品がこれっていう感じなのだ。
それで、ネットで検索してみることにした。
「村上春樹」と「精神障害者」でヒットした中には、
「精神障害者をちゃんと描いている」と賞賛しているものはあっても、
ジェンダーや精神障害者の描き方として問題ありとする発現には、たどり着けなかった。
確かに、異常の中に正常があり、正常と思われているものの中にこそ、異常が存在するのだという思想は貫かれているが、
その考え方が社会との接点を持たない以上、理想を述べているだけに過ぎない。

あまりの後味のわるさに、もう一冊読まないと収まりが付かなくなり、
これもその内読みたいと思っていた、村上龍の『「69(シクスティナイン)』を読んだ。
書かれたのは「ノルウェイの森」と同じ1980年代後半。
舞台設定も『ノルウェイの森』と同じ1969年から70年に掛けてだ。
春樹は、ノンポリの大学生を、龍は全共闘に近いところにいて、その運動をうまく利用して楽しく生きようとする高校生を主人公にしている。
前者は、社会性まったくなし。後者は、かなりの反体制としての思想が貫かれている。

ぼくは、この2冊を読み終えてやっとバランスを取り戻した。
龍の小説には、いつも分かれ道が用意されていてハラハラ・ドキドキする。そして、なぜか泣いてしまうようなところがある。
春樹は、特にこの『ノルウェイの森』に限っては、先が読めてしまう。きっとこの女性と性的関係になるだろうと思うとその通りになる。
あまりに読者を、ぼくを裏切らないので作者との距離が取れなくなる。

ネットで検索していて知ったことだが、村上春樹の1995年あたりに天気となる作品があるらしい。
ぼくが絵を描き始めた時期でもある。
次はそのあたりを読んでみよう。
裏切られないことを願って。

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2008.08.01

新作ポストカード、好評発売中

今回、ネットで新作のポストカードを販売することになりました。
http://homepage3.nifty.com/mitsushima/post_card_m.html
ご注文よろしく。

1枚200円と少し高いですが、前作に比べて、盛り上げ印刷の精度がかなりよくなったと思います。
ビューの協力を得ながら、初めて自分でお金を出して制作しました。
ものを売るってワクワクもするけど、けっこう煩わしいこともついて回るし、そのあたりもかなりビューメンバーに助けられています。
個人レベルでどれだけのことができるんだろう? 9000枚完売に向けて、長い道のりかなぁ。
みなさま、販売にご協力を!!

置いていただけるお店も開拓中です。
現在京都市内で手にとって見てもらえるお店は、
柳の馬場六角下ルの鈴木松風堂(和紙のお店)
http://www.shofudo.co.jp/blank.html

烏丸三条、スターバックスの西隣、文椿ビル1Fの mekikki ショップ(アクセサリーとテーブルウエアーのセレクトショップ)
http://mekikki.mekikki.shop-pro.jp/
と、おもしろい展開をみせています。
鈴木松風堂さんは、京都観光のお客さんが、
mekikki ショップさんは、ちょっと高級なアクセサリーを求めるお客さんが訪れるようです。
普段、ぼくがあまり接しないような人たちにも、買ってもらえそうで楽しみです。

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