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2008.08.05

『ノルウェイの森』ってポルノ小説だった?

週末、村上春樹の『ノルウェイの森』上・下巻を一気に読破。
読み終えての感想は、
「これってポルノだった?
ちょっと下品な言い方をさせてもらうなら、
登場人物は、ほとんどが精神障害者の女性で、主人公の渡辺が、その女性たちとやりまくる。
渡辺は、もうすぐ二十を迎える一応健常者と思われる男性。

これまでに『海辺のカフカ』は、読んだことがある。ま、村上春樹もなかなかだと思っていて、次に読みたくなったときには、この『ノルウェイの森』を読むつもりでいたのだ。
読みやすいし、おもしろいことには変わりないが、どうも読後感がスッキリしない。

ベストセラーになった作品がこれっていう感じなのだ。
それで、ネットで検索してみることにした。
「村上春樹」と「精神障害者」でヒットした中には、
「精神障害者をちゃんと描いている」と賞賛しているものはあっても、
ジェンダーや精神障害者の描き方として問題ありとする発現には、たどり着けなかった。
確かに、異常の中に正常があり、正常と思われているものの中にこそ、異常が存在するのだという思想は貫かれているが、
その考え方が社会との接点を持たない以上、理想を述べているだけに過ぎない。

あまりの後味のわるさに、もう一冊読まないと収まりが付かなくなり、
これもその内読みたいと思っていた、村上龍の『「69(シクスティナイン)』を読んだ。
書かれたのは「ノルウェイの森」と同じ1980年代後半。
舞台設定も『ノルウェイの森』と同じ1969年から70年に掛けてだ。
春樹は、ノンポリの大学生を、龍は全共闘に近いところにいて、その運動をうまく利用して楽しく生きようとする高校生を主人公にしている。
前者は、社会性まったくなし。後者は、かなりの反体制としての思想が貫かれている。

ぼくは、この2冊を読み終えてやっとバランスを取り戻した。
龍の小説には、いつも分かれ道が用意されていてハラハラ・ドキドキする。そして、なぜか泣いてしまうようなところがある。
春樹は、特にこの『ノルウェイの森』に限っては、先が読めてしまう。きっとこの女性と性的関係になるだろうと思うとその通りになる。
あまりに読者を、ぼくを裏切らないので作者との距離が取れなくなる。

ネットで検索していて知ったことだが、村上春樹の1995年あたりに天気となる作品があるらしい。
ぼくが絵を描き始めた時期でもある。
次はそのあたりを読んでみよう。
裏切られないことを願って。

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