路地発見
自分で買いに行くベーグルがおいしい。
堀川通りをまっすぐ北に行くと、三つ目の信号を越えた左手にある
「グランディール」というパン屋さんにはまっている。
なぜ、このパン屋さんに行くようになったかというと、同じ方向に今通院中の
歯医者さんがあるからだ。帰りにパン屋さんに寄っておいしそうなベーグルを
店員さんに取ってもらうところから始まったベーグルツアー。
最近では、ベーグル直行ということもしばしばだ。
で、それなら堀川通りをまっすぐ北に向かえばいいのだが、どうも大通りの
賑やかなところを歩くのがおもしろくない。というか、中途半端に狭い歩道は、
自転車がけっこう飛ばしてくるので歩道の真ん中をドウドウと歩くのを
ためらってしまう。そこで、わざと遠回りをする。いつも歯医者に行くときは、
北大路堀川の交差点を渡ってすぐに路地に入る。この路地は、北に向かって
直線に繋がっているわけではなく、少しずつ西にずれてバス停1つ分ぐらいの
ところまで続いている。そして途中から路地の繋がりがなくなってかなり西に
ずれて、猪熊通りに入る。だから、パン屋さんからは、かなり遠ざかって
しまう。時間のあるときは、うんと大回りをして、猪熊通りを今宮通りまで
歩いてそこから東に戻ることになる。
ところで、この今宮通りというのは、昔の言い方では、「六軒通り」だ。
ついでに今の北山通りは、この六軒の倍で十二軒通りと言っていた。
こどもの頃には、この十二軒まで行くというのは、かなりの遠出になる感じ
だった。ここで話を終えると、たんなる昔話になってしまう。
昨日は、「グランディール」に行くために、いつもの路地を抜けて
行ったのだが、あまりに暑いので、猪熊通りまで遠回りをするのは止めて、堀川
通りに戻ることにした。左側に神経を集中して歩いていたら、どうも路地らしい
凹みを感じたので、思い切って左に折れてみた。
あんのじょう路地があった。しめしめと歩き出したのだが、行き止まりという
こともありうるので、途中からは少し注意深く歩いた。以前にもこのような
路地を見つけて、喜び勇んで歩き出したら、行き止まりになっていたようで、
知らない家の前に置かれた自転車にぶつかった覚えがある。
今回は大成功。次の通りに抜けられた。しかしそこで路地はなくなっていた。
ひょっとしたら、また左にずれると見つかったかもしれない。
諦めて堀川通りに出て、北に向かい、パン屋さんへ。
クルミとレーズンのベーグル、そしてフランスパンを買って、帰りも遠回りを
して、堀川通りを東に渡り、油小路通りを南に下がった。
いまでは、もうめったにない土道に、なぜか郷愁を感じる。街がドンドン舗装
されていく時代。40年も前の話だ。ぼくは、わざわざ裏道の土道を選んで盲学校
への通学路にしていた。
舗装された道は、車が多くて歩きにくいということもあったのだが、
ほこりっぽい、土の匂いのする路地が好きだった。いまでは、そうした路地も
みんな舗装されてしまっている。にもかかわらず、やっぱり細い路地が
好きなのだ。
一生表通りは歩けない、歩きたくない性格なのだろうか。
また、余裕のあるときに路地捜しをして、裏道ばかりをたどってパン屋さんま
で行けないものだろうかと思っている。
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