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2010.02.05

展覧会始まってます

気楽な感じで展覧会スタートしました。
CDケースの作品も増え続けています。
5日夜8時からは、アイリッシュ音楽のセッションがおこなわれるのですが、ぼく
も飛び入りで一升瓶に絵を描くことにしました。ウッドノートのマスターの
提案です。

今回は、特に見えない人に対する配慮をしていません。
キャンバスの作品には、コーティングをしていますので、そっとさわってもらうことはできます。
しかし、カンバスという性質上ブカブカしていてさわりやすいとは言えません。
誰か見える人をつかまえて、言葉による鑑賞を試みてください。
暇なら、マスターもいろいろおしゃべりしてくれると思います。
CDのアクリルケースに、直接描いたのも一点だけあるので、それも触ってみてください。

会場説明をします。
入って右手の壁面にカンバス20号の作品2つ。
手前が、『ウッドノートのドアを開けると』。その奥に『アコーディオンパズル』

入って左側の壁面には、CDケースに描いた作品が4枚ずつ3段に並んでいます。
そして、その奥に『雨の木』(唯一の旧作)

CDケースの作品は、その他にもCDラックに立てかけてテーブルにも配置しました。
手に取って見てほしいからです。

今回、このCDケースのおかげで商品化ということについて考えることが
できました。なぜCDケースなのかという質問が聞こえてきそうですので、
先回りしてお話ししておきます。

昨年末に治療室のCDラックを新しくしました。それに合わせて、かさばる
プラスチックのCDケースを止めて薄っぺらい不織布の袋に入れ替えました。
そうすると、大量にCDケースが余ってくるわけです。捨てるのもったいないから
これに絵を描いてみようと遊び感覚で始めてみたというわけでした。

ケースは、透明だから表と裏に描いたら二重に重なって見えておもしろい
だろうと思っていたのですが、中のCDを入れるトレイは、黒のものもあることを
知りました。さらに、作品として人前に出すには、プラスチックの表面が
けっこう傷付いているということも教えてもらいました。手でさわっていても
ほとんどわからないのですが、ちょっとした接触や落下で傷だらけになって
いるんですね。割れやすいという認識はあったのですが、そんなに傷付いている
とは知りませんでした。ツルッとしたプラスチックケースは、万能だと思って
いたのはぼくだけだったのでしょうか?

次に問題になったのは、プラスチックの表面に直接描くとやはりテープが
剥がれやすいだろうということでした。CDと同じような感覚で購入もして
ほしいとなると、ある程度の強度も必要ですね。

そこで、触るということにはこだわらず、商品としても扱えるようなものにする
ことを目標にしました。新しいCDケースを買い、ジャケットカバーの用紙も
購入しました。

次に悩んだのは、表と裏の構造です。
表面の歌詞カードなどの入っている方は問題ないのですが、裏表紙のCD
トレイを外して紙をはめ込む部分の構造は、やや複雑です。
CDケースを開いてしまうと問題ないのですが、閉じると、裏表紙の紙の右の裏側
の1センチぐらいのところが、表から見える構造になっているんですね。
ケースにはめ込んでしまうとぼくにはさわれなくなるので、想像するしか
ないのです。これがなかなかやっかいでもあり、またまたおもしろい作業でも
ありました。

どんな風に見えるのかを想像しながら作るというのが、なかなかおもしろいの
です。みなさんは、「さわってみるとどんな風に感じるのだろう?」と想像
しながら何かを作ったことがありますか? そういうおもしろさですね。

あくまでぼくの頭の中で想像したことをやってのけているので、失敗作も
ありますが、このあたりに注目してご覧いただくのも見所かと思っています。

今回、もう一つ新しい試みは、カンバスをウレタン塗装したことです。
昨年夏に「たんぽぽの家」で展覧会をさせていただいたときにも、カンバスの
作品を5点ほど出品していましたが、時間の余裕もなく、コーティングを
しませんでした。案の定カッティングシートが剥がれ掛けて、担当の人の
手を煩わせてしまいました。今回はしっかりコーティングしてしてもらって
いるので、カフェのような環境でも持ちこたえられるのではないかと思っています。

さて、CDケースに描きながら、改めて「商品」なのか、「作品」なのかというこ
とについて考えました。
結論は、作品と鑑賞者の距離を縮めたいということでした。
より身近な素材に描くことで手に取ったり買ってもらえるということでもあり、
それは、自ずと作者→作品→鑑賞者との距離を縮めることにもなります。

今回CDケースに描いてますと言うと、「商品ですか?」という質問が、間髪を
入れず帰ってきました。「ううん。商品としては考えていないのですが……」と
答えたものの、自分でも考えが整理されていませんでした。
もし商品化するなら、絵をコピーしてジャケットカバーに印刷して販売すると
いうことになるでしょう。そこまでは考えていないし、大量生産して
デザイン画として売っていくつもりもないということです。では、ポスト
カードを作って販売しているのはどういうことか? 矛盾してますよね。

ぼくの作品を手元に置いてほしいということと、さわって感じるおもしろさを
知ってほしいというところからポストカードを作り始めたように思います。
つまり、作者・作品・鑑賞者の距離を縮めたいということです。

ああ、ここまで書き進めましたが、まだまとまっていませんね。
商品化して、消費されるのもイヤだしなぁ。
でも、一点物の価値をつり上げて評価を勝ち取る時代でもないことはわかっているつもりです。
情報として消費されて始めて評価が与えられる。
でもそうなると、自分の手の届かないところでいろんなことが始まったりする。
用心深いぼくはそのことへの恐怖も感じています。

このことは、また改めて書きます。
考え途中なので、いろいろご意見ください。

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コメント

たねさん、いつもコメントありがとうございます。
ぼくの混乱ぶりがたねさんにも伝わってしまったかもしれません。

CDケースの作品は、1つ3000円で販売しています。
ちょっと高めのCDの価格帯にしたつもりです。
ポストカードと同じような感覚で、手元に置いてほしいと思っています。
実験的な試みには変わりないのですが……。ややこしいことを言っていて申し訳
ないです。

> 触って見てもらって楽しむという観点から考えると、もし私だったら、見える人の
> ワークショップに繋げたほうがいいのかなあと思います。「触って描いて
> オリジナルケース作ろう!(作品は見本)」てな感じ?

この提案いいですね。いただいてしまうかもしれません。一升瓶に描くのもおもしろかったので、そのあたりで見える人にも楽しんでもらえるようなワークショップができるかもしれませんね。普段ビューでは、見えない人対象のワークショップをしているわけですが、先日阿部さんともしゃべっていたら、見える人にももっと楽しんでもらえるような企画ができないかと言っておられたのでぜひ考えてみたいですね。

ウッドノート、ぜひお越しください。

投稿: みつしま | 2010.02.06 16:23

お疲れ様です。
展覧会始まってるんですねえ。
「CDケースに描く」とありましたから、私はてっきり(オリジナルで売る)商品だと思っていました。ブログを読んで、ああ、実験的なことだったんだと理解しました。「商品か?」と聞いた人は、実用的な面もあるので、ある程度安くお洒落なものが買えると思ったのかもしれません。
触って見てもらって楽しむという観点から考えると、もし私だったら、見える人のワークショップに繋げたほうがいいのかなあと思います。「触って描いてオリジナルケース作ろう!(作品は見本)」てな感じ?
絵ハガキはホントに実用で安価で、付加価値もあるので、情報とはちょっと違うかな。アマチュアでも気軽に作れますし。
会場へも行きたいのですが、私、暴言吐きの人見知り(&忌々しい仕事)なので余裕がイマイチです。
できればスル~と行きたいんですが。

投稿: たね | 2010.02.06 04:42

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