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2013.05.13

「みる/さわるだけではわからない、かもしれない」展は、バリアコンシャス

開場の設営を終えて、改めて今回の作品をさわってみて自分の思っていることがくっきりしてきたように思います。

■「みる/さわるだけではわからない、かもしれない」展は、バリアコンシャス

 ずっと世の中に違和感を持ちながら歩んできた。原因の多くは、ぼくが見えないことにあるのかもしれないと
思っている。一方で、見えない世界のおもしろさも存在する。この2つの面を水増しすることも目減りすること
もなく普通に伝えるのは、思いの外難しい。これまで試みてきたカッティングシートとラインテープの方法は、
見える世界に近付く方法としては成功していたのかもしれないが、見える人の感覚を揺さぶることには繋がって
いなかったようにも思う。今回のインスタレーションでは、見える人にもバリアを意識してもらうことを目的と
している。後味が悪かったり、突き放されたり、思いがけず近付いたりの感覚が浮き出てくればといいなぁと思
う。

 点字と墨字のコメントは、かなり見づらいはずだ。墨字コメントでは、世の中で知らないうちにぼくが被害者
になってしまうことを、点字コメントでは、公の場ではけっしてあらわにしない「見えない人の文化」の本音を
語ったつもりだ。ぼくが「見える人の文化」に近付こうとしてもけっして近づけない、あのもどかしい感覚だ。

 色のグラデーションを言葉で説明してもらってもなかなか理解できない。ぼくが苦手としている色のグラデー
ションを、触覚で感じてもらえるだろうか?

 街中でバイクの音に反応して偶然撮った写真は、「見える世界」と「見えない世界」を繋ぐはずの誘導ブロッ
クによって、映像と触覚のテクスチャーに分割されている。いつも映像はぼくたちを不安に押し込めてしまうか
らだ。

 広がりを体感するための通路は、見えている状態で対物知覚を鋭敏にしてもらうためのバリアでもある。通路
を通り抜けると、触覚と視覚がより敏感になっているかもしれない。

 *京都芸術センターの制作室を借りて約3ヶ月。いろんな人に手伝ってもらいながら手づくりの個展を開催す
ることができた。手弁当でご協力いただいた方々に感謝致します。

協力
株式会社木力屋辻本
都城木材株式会社
イーノックス株式会社

2013/05/13

光島貴之

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