■25日(6日目)
長い一日の始まりだ。9時半頃ワークショップ会場に着き、参加者を待つ。
来た人から順番にアイマスクをしてもらい、昨夜描いておいた絵の右端に案内する。
ラインテープを頼りに1人でたどってもらう。少しラインから外れたところにある絵も素通りしないように適宜指示してもらう。
一度では納得できなくて、もう一度最初から触り直したいという人もいた。
アイマスクを取ってもらうと、絵の大きさに驚いたり、ワンタン麺が胃袋に入って行くところを理解してくれたり、日本から香港までの距離感を表しているという人などで、大凡理解してもらえたので、ほっと一安心。
12人の参加者だが、みんな丁寧に触ってくれたので、けっこう時間が掛かった。
午前の残りの時間は、ビデオでぼくのコラボレーションの様子を見てもらった。
香港の昼休みは、1時から2時というのが普通らしい。
午前は12時までというつもりで予定を組んでいたのでどうしても12時過ぎにプログラムが終わってしまう。
今日も12時半ぐらいに昼休みに突入。2時までのゆっくりした昼休みにしてもらい、参加者と一緒に近くの飲茶の店に行った。
さあ、午後からは最後のプログラム。ぼくにとっても初めての試み。
参加者を巻き込んでの一緒に描くコラボレーション。
2人一組になってもらった。3組ずつ前に出てもらい、画面を3分割して一斉に描いた。
あまりに書きこみすぎると画面が煩雑になってしまうだろうということから、三つの制約を設けた。
ラインテープは、3カットまで。カッティングシートは、2枚、2色まで。時間は15分。
かなり派手な楽しい絵ができあがった。これもADAHKの許可が取られしだい紹介するつもりだ。
締めくくりの質問を受け、4時頃に終了。


1時間ほど休んで5時からぼく自身の制作に入った。
12月に行われる展覧会に出品するための作品を作り、残していくことになっていたのだ。
しかもその様子をビデオに収めて同時に会場で流すという計画になっている。
本当は、この制作だけに1日掛けることになっていたのだ。
それがあの台風のために今から無期限で描けるまでスタッフと岸中さんをつき合わせることになってしまったわけだ。
プラダンは、A2の白が4枚。黄色が2枚用意されている。
構想はいろいろ考えていた。後は時間との勝負。
いくら何でも11時ぐらいまでには仕上げたかった。
ところが、最終日なので通訳のジェリーさんとスタッフとでぜひ食事に行きたいとのこと。
ぼくとしては、集中をとぎらせたくなかったのだが、どうも断れる雰囲気ではなかった。
その分遅くまで掛かるかもしれないがそれでもいいかという確認だけ取って8時頃から90分ぐらい食事。
10時頃から再開。どう考えても6枚は無理。
5枚での構成に変更。
結局完成したのは、午前1時過ぎ。写真を撮ったり、部屋を片付けたり、ギャラを受け取ったりして、ワークショップルームを出たのは、午前2時だった。
下の2枚は、ワンタン麺と漢方仕立てのナタデココ。
左が香港でよく飲んだ水のボトル。右が、台風に吹かれて倒れかかる木。
上が、エスカレータだが、こだわったのは、エルカレーターののり口とオリグチにある丸シール。
香港でも、音響式信号機がある。日本と音が違う。
ちょうどフライパンを叩くような音で、止まれというときには、タ タ タ タ とゆっくり鳴っている。
青になって進めというときには、タタタタタ と早いテンポで急がせる。
この仕組みが、エスカレーターののり口にも利用されている。
のり口には、早いテンポ。オリグチには、遅いテンポで鳴っている。
だから、逆方向のエスカレーターに乗り間違えることがない。
これを描きたかったのだ。
最後に5枚をまとめて台風を描いて終わり。

ホテルに帰っても興奮が続いていてなかなか眠りにつけなかった。
11時には、スタッフが朝食を買い込んで迎えに来てくれる。それまでに荷物もまとめなければ。
長い一日のことを考えながら、眠りについた。
フライト前、香港の空港でみんなでお茶にした。そのとき飲んだコーヒーは、こちらに来て初めておいしいコーヒーだった。おかげで機嫌良くして関空へ飛び立てた。
ワークショップのアシスタントや、事前のメールでのやりとりだけでなく、現地制作のアシスタントもお願いすることになった岸中さん、スタッフのシャンさん、ブライアン、通訳のジェリーさん、
どうもありがとう。
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